2011-01-01から1年間の記事一覧

虚勢を張ろう

虚勢を張ろう。いくつもの“ナゼ”を呑み込んで、たくさんの“ドウシテ”を腹に収めて、虚勢を張ろう。他人ではなく、自分に向けて。「ウソから出たマコト」という言葉もあるのだから。「どうってことねえよ」byアントニオ猪木

歴史は繰り返す

アリスター・オーフレイムのストライクフォースからの離脱が示唆しているのは、実は、格闘技には社会的権威など欠片も無いということ、チャンピオンベルトは社会的ステイタスになり得ないということです。かつて、「プロレスに市民権を」という言葉がありま…

知情意

新潮文庫の“夏の100冊”の一冊、小林秀雄と岡潔の対談集『人間の建設』を読みました。語られていることのすべてを理解し楽しめたとは、口が裂けても言えませんが、読んで良かったと思える本でした。その厳しさで知られる評論家と、世界的な数学者の対談で、知…

作家と対峙する

「健全な精神は、健全な肉体に宿る」は間違いで、正確には「健全な精神よ、健全な肉体に宿れかし」だと、何かで読んだ記憶があります。健全な肉体に健全な精神を併せ持つ姿が人間の理想像であり、そうあって欲しいという願望を込めた言葉であると。私は、健…

発熱しよう

両手を膝に置いて呼吸を整えなければ動けないくらい身体を動かして汗をかいた後。気温が三十度であっても、吹く風は涼しく爽やかです。熱さを以って暑さを制す。

羽海野チカ

私が、ここ数年で唯一まとめ買いをした漫画。『ハチミツとクローバー』ハチミツとクローバー 1 (クイーンズコミックス)作者: 羽海野チカ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2002/08/19メディア: ペーパーバック購入: 5人 クリック: 175回この商品を含むブログ (…

遺賢あり

格闘技全般に元気がなく、縮小化が懸念される昨今ですが……。私が通うボクシングジムでは、練習生の数が増加傾向にあります。街には、他にキックボクシングのジム、様々な流派の空手道場、さらに総合格闘技のジムもあります。ひと頃のメタボ騒ぎ以降、運動不…

新しいシューズ2

その新しいシューズを持って大阪に出向き、マイブレスの練習に参加する。履き潰すまでに何年もかかるでしょうし、今日明日ということではありませんが、その想いも込めて購入しました。自分で自分に約束したことに過ぎませんが、将来の(その時の)自分が、…

新しいシューズ1

BOX

私は、ボクシングジムで練習する際、レスリングシューズを履いています。とても軽く、足首までホールドしてくれ、この履き心地の好さを知ってしまっては、もう他のシューズは履けません。そのシューズも痛みが酷く、ずっと買い替えを考えていました。騙し騙…

『こうふく あかの』

2007〜2008年のこと。ある日、妻に妊娠したことを告げられた男。彼は困惑します。何故なら、もう何年も、妻の肌に触れることすらなかったのですから。そして、妻は「産みます」と宣言します。「こう言えば、相手はこう思うだろう」「こう行動すれば、周囲は…

暑中見舞い

暑中お見舞い申し上げます。酷暑の夏、皆様いかがお過ごしでしょうか。節電の夏、日本の夏。そこに胡散臭さが透けて見えても、モノを大切にする、無駄にしない、勿体ないと思う気持ちは生活する上で基本中の基本です。過ぎたるは及ばざるが如し。必要と不必…

甘ったれんなよ

大の大人が「オレは傷ついた」なんて言うな。ナイーヴさをアピールして許されるのは十代までだ。甘えるな。

『こうふく みどりの』

世界が個人の認識の結果なら、世界には、私が知らない“相”があるはずです。それを見せてくれる本を読むのは、最上級の刺激の一つです。西加奈子の『こうふく みどりの』は、中学生の女の子が主人公。彼女の“大阪弁”の一人称をベースに、その間に別の女性たち…

あまのじゃく

楽しく愉快なCFです。しかし、共感できません。いや、正確に言うなら、共感する自分が許せません。製作に携わった方たちのアイディアとユーモア、他者を応援する気持ちには敬意を表します。

設計図のままに順調な人生などありません。誰もが修正や変更を余儀なくされます。ただ、それを他人に漏らさないだけです。笹本稜平の、雪山を舞台にした山岳小説『還るべき場所』で、登場人物の一人が「何故、山に登るのか」という問いに、自分なりの答えを…

儀式

BOX

ボクシングジムにて。準備体操と縄跳びの後、両の拳にバンテージを巻きます。それだけで、心のスイッチが切り替わります。

淘汰の時代

何年か前、ある掲示板に、大略「魅力的なところに人材は集まるもの。その逆の最たる例が政界」と書きました。復興担当大臣の常軌を逸した言動、態度と辞任はイレギュラーな出来事ではありません。私たちは、その程度の政治家しか持ち得ないのです。その環境…

戦い済んで日が暮れて

今日も一日、お疲れさまでした。アナタの頑張りを、私は知っています。

『原発労働記』

世界が、その人の認識の結果でしかないなら、知らないことは即ち存在しないことです。しかし、知らないことを知ってしまった以上、知らないままで済ませるわけにはいきません。そこで手に取ったのが堀江邦夫の『原発労働記』です。すべてのページに、引用し…

『大地の牙』

船戸与一は、“現代史と同伴する”ことを作家としての姿勢にしています。“満州国演義”シリーズは、過去を描いていながら、まさしく“現代史と同伴”しています。第一の理由は、時間と場所の二点で現代の日本と密接に繋がっているから。第二の理由は、日本人は相…

波から落ちても

たまには時事ネタ。堀江貴文氏(あえて敬称付き)の収監について。石田衣良の『波のうえの魔術師』は、投資家の老人とフリーターの若者が銀行に罠をしかけるコンゲーム小説です。ミッションが成功した後、老人は姿を消し、若者は逮捕されます。そして、出所…

眠い目を擦らない

作家として、これを遺したい。船戸与一の“満州国演義”シリーズには、作家の覚悟が滲んでいます。それに応えるべく、眠くなったら素直に本を閉じています。満州国演義 (6) 大地の牙作者: 船戸与一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/04/01メディア: 単行本…

この戦争

毎年、三万人以上の人が自殺する現代を、作家の五木寛之は“心の内戦の時代”と表現しました。地震後の不手際も含めた震災被害によって、その人生を破壊された人たちの苦渋に満ちた痛ましい決断を見聞きします。私たちは戦争の真っ只中にいるのだと、あらため…

小指の骨

森瑤子の作品に、母親が死んだら、その左手の小指の骨の欠片をもらい、それを封じたペンダントを身に付ける。そんな約束をした母と息子の話があります。あの地震から三か月。

狂想曲でもない

AKB48の“総選挙”という名の人気投票。いい大人が遊びと割り切って騒ぐだけなら、それも一つのイベントでしょう。しかし、それがニュースとして価値を持つかといったら、それは“否”です。断じて“否”です。売る側の多くの企業の連携プレーの結果として、消費者…

『音もなく少女は』

ボストン・テランの『音もなく少女は』は、生まれつき耳が不自由な少女、イヴの物語。ろくでなしの父親と、夫の暴力に怯えるだけの母親。その彼女を救い上げた、凄惨な過去を持ち、心と体の両方に深い傷を持つ女性、フラン。イヴの母親のクラリッサとフラン…

一生懸命頑張ります

長島☆自演乙☆雄一郎がプロレスのリングに上がり、活躍しているそうです。他にも名前が上がっている選手、格闘家がいます。それ相応の事情があることはわかります。それでも、「それは、ちょっと違うだろう」というのが、私の偽らざる本心です。かつて、私が…

言葉は刃(やいば)

「世の中に不満があるなら自分を変えろ 。それが嫌なら、耳と目を閉じ、口をつぐんで孤独に暮らせ」by草薙素子私が書いているのは、単なる思考の排泄に過ぎないのではないか。その自戒を込めて。

戦いの最中

隆慶一郎の『死ぬことと見つけたり』は、『葉隠』をモチーフにした小説です。主人公たちは、毎朝、布団を出る前に、自分が死ぬ場面を克明に思い描きます。その一日を、死人(しびと)として生きるために。死人=既に死んでいる者に恐怖はありません。躊躇い…

温もりと喪失感

漫画『ドラえもん』に、「のび太の結婚前夜」という回があります。結婚式を翌日に控えた夜。しずちゃんに「私がいなくなって寂しくない?」と訊かれ、彼女の父親は「寂しくないと言ったら嘘になるが、思い出が温めてくれる」と答えます。しかし、その思い出…