波から落ちても

たまには時事ネタ。堀江貴文氏(あえて敬称付き)の収監について。

石田衣良の『波のうえの魔術師』は、投資家の老人とフリーターの若者が銀行に罠をしかけるコンゲーム小説です。ミッションが成功した後、老人は姿を消し、若者は逮捕されます。そして、出所した後、彼のもとに老人から手紙が届きます。

その中で、老人は謝罪の言葉とともに、こう言います。

「(初犯なのに執行猶予が付かなかったのは自分の計算違いだったが)罪を逃れる最良の方法は、逆説的であるが、さっさと罪を償ってしまうことだ。逃亡者の人生を送るより、正当な裁判を済ませ、執行猶予つきの罰を受けてきみは自由になればいいと、私は判断したのだ。」

一般的に、前科がつくと、社会的な機会が減り、選択肢は限られたものになります。しかし、堀江氏には、その常識を軽々と越える能力とバイタリティがあると思います。私は、彼を正と負のどちらでも評価していませんが、その点だけは信じています。

“自分が答えになるしかない”なら、“(人の値打ちが)棺を覆いて後、定まる”なら、これからが勝負です。