2012-09-23から1日間の記事一覧

続『獣の奏者』

この作品は“ファンタジー”に分類されます。しかし、優れた作品はジャンル分けを拒絶します。優しい語り口と、少女の成長とともに国家の在り方まで論じる内容。それらが見事に溶け合って、どの年齢の読者が手に取っても、その人なりに想うこと、考えることが…

『獣の奏者』

“言葉”によって綴られる小説を読んで心が打ち震えたとき、その感動を語る“言葉”を、私は持ち得ません。危地にある母親を救おうとした少女エリンの必死の形相と、母親に抱きつくしかなかった無力感。そこから始まった、母親を知る旅。生き物は如何に在るのか…

やる気のない

ゆっくりと流れる数分間をともに過ごしましょう。

ネガティブから始めよう

山田風太郎はシニカルなユーモア感覚の持ち主です。相変わらず記憶をもとに書いていますので正確ではありませんが、大略以下のように書いていたことを覚えています。「世の60歳以上の老人が(全員)突然いなくなっても誰も困らず、社会は何事もなく動いてい…

緩と急

BOX

練習メニューを元に戻して、下半身の動きがあってこそのボクシングということを、身を以って実感しました。拳をより遠くへ。腕を伸ばし、縦に大きく空間を使うこと。そのために必要なのが、緩と急のリズム。フットワークと、ステップイン・アウト。その動き…

夢よもう一度

小泉純一郎が「郵政改革」を旗印に人気を博していた頃、支持する理由として多く聞かれたのが「何かやってくれそうだから」でした。政権交代のときの、民主党は有権者に「一度やらせてください」と呼びかけ、有権者は「硬直した自民党よりはマシだろう」と投…

同じ道

ここ数年の中国の様子を見聞きするにつけ、私には、戦前戦後を問わず、かつての日本と多くの面で重なって見えます。戦前の日本の、国内経済の疲弊を打破すべく行われた大陸への進出と、国内だけでは賄えず、外に出て行かざるを得ない現在の中国の、周辺諸国…