『獣の奏者』
“言葉”によって綴られる小説を読んで心が打ち震えたとき、その感動を語る“言葉”を、私は持ち得ません。
危地にある母親を救おうとした少女エリンの必死の形相と、母親に抱きつくしかなかった無力感。
そこから始まった、母親を知る旅。
生き物は如何に在るのか、そのすべてを知りたい。その先にある、母親が死を選んでまで秘した真実を知りたい。そして、何より母を知りたい。
その旅が終わるとき、母親になっているエリンが息子に告げた言葉。
「おまえのおかげで、わたしのすべてが、報われた……。ありがとう」
この本に出会えたことに感謝します。
- 作者: 上橋菜穂子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/08/12
- メディア: 文庫
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