いぶし銀
誰もがきらびやかなコスチュームを身にまとい、それが個性とされるキャラクターを演じている現在のプロレス界で、いぶし銀と評されるプロレスラーがいるでしょうか。
昭和のプロレスには、新日本プロレスなら木戸修や藤原喜明、全日本プロレスならマイティ井上といった選手がいました。
もう少し年代が下がって思い出すのが小川良成です。格上の相手に向かっていく玉砕ファイトだけでなく、しっかりと試合を作る確かな技術を持った、藤波辰巳と同じ文脈で評価されて然るべき選手です。
彼のような選手に、らしく活躍できる、本領を発揮できる場を作れないプロレス業界の、底が見える底なし沼の、その浅さを感じずにはいられません。
木戸クラッチの興奮よ、再び。