コール
プロレスラーの高山善廣が試合中のアクシデントにより、首から下が麻痺して動かない状態になり、医者からも治る見込みはないと告げられたそうです。
夢枕獏はUWFを運動体と表現しました。それは選手だけではなく、応援する観客をも巻き込んだものでした。
自分たちのプロレス。それは確かな手応えでした。
あの熱狂、あの誇らしい気持ちは心の引き出しに大切にしまわれています。
運動体は運動し続けることでのみ存在することが出来ます。その戦いの最中、一人の選手が傷つき倒れました。
ならば、運動体を構成する者としてすべきことは一つです。
今日、高山善廣の所属事務所の口座に少ない金額ですが、寄付として振り込みました。
ATMに銀行名や口座番号を入力して「タカヤマドウ」の名前が表示されたときには緊張しました。振り込みの際には、自分の名前と電話番号も入力します。その明細を見たとき、涙が出そうになりました。
当人と家族の思いは想像に余ります。知ったようなことは言えません。
ただ、この曲に胸躍らせたことがあるなら、日常の嗜好品のほんの少しを我慢して、その分を届けてほしい。それはきっと、入場料を払って会場に入り、リングの上で躍動する選手に送るコールと同じだから。