映画

その意気や良し

映画『メジャーリーグ』は再生の物語です。夫の遺産として球団を受け継いだ女性オーナーには、それを運営する意欲も、愛情もありません。彼女は、チームが弱小で不人気になり、観客動員数が一定の水準まで落ち込むとフランチャイズを移転できるという規約に…

もう一度、お願いします

映画『フラッシュダンス』は、素朴なプロットで、わかりやすいアメリカンドリームを描いています。しかし……。物語のクライマックス。オーディションの場面。ヒロインは、踊り始めてすぐにミスをしてしまいます。気まずい雰囲気の中、回り続けるレコード。流…

酷暑の夏に

残暑お見舞い申し上げます。さすがに朝や夜は風に涼しさを感じるようになってきましたが、昼間はまだまだ暑い日が続いています。そこで……。涼しげなものをと思案したところ、当ブログで何度か触れた映画『コンタクト』の映像をご紹介することを思いつきまし…

『ザ・ロード』その弐

映画『ザ・ロード』は限られた数の映画館でしか上映されておらず、このままではDVD化を待って、自宅で観ることになりそうです。何故、このようなことに? 全国の東宝系の映画館で順次ロードショーということで、一縷の望みを託します。

鞘に入った刀

牙を研げ。そして、研いだ牙は心の鞘に収めろ。黒澤明監督の映画『椿三十郎』の一場面。滅法強い素浪人の椿三十郎を評して、おっとりのんびり屋の城代家老の奥方曰く、「あなたは抜き身の刀みたい。いつもぎらぎらして、良く斬れます。でも、本当に良い刀は…

闇の光明

光が闇を駆逐しようとする。闇が光を呑み込もうとする。それは、異なる存在を殲滅しようとする点で、同類です。漫画『孔雀王』で、主人公の孔雀は闇に差す一条の光、“闇の光明”に救いを求めました。闇があってこそ光が存在する。光があってこそ闇が存在する…

矜持

理解し合えるが、相容れない。友情とは異なる、それでも確かな手触りのある敵。

カーチェイスはここから始まった

現在、マイクル・コナリーの最新作『エコー・パーク』を読んでいます。その主人公、“コナリー推進キャンペーン”で何度も触れたハリー・ボッシュは、映画『ブリット』のスティーブ・マックイーンをイメージして作られたそうです。アクション映画にカーチェイ…

這い上がった男

“忘れられたスターほど、忘れられた存在はない”という言葉があります。そこから蘇った男、ジョン・トラボルタ。バレロよ。天国のバレロよ。この男の強さを見ろ。順序は違えど、妻を道連れにした自分の卑怯な振る舞いを恥じろ。残された家族を悲しみのどん底…

格好良いとはこういうことさ

ギリシャの昔から、悲劇と喜劇は人の世の表裏。※“埋め込みがリクエストにより無効”となっていますが、画面の黒い部分をクリックしていただくと、別ウィンドウが開き、通常のYouTubeの画面にてご覧いただけます。

If you build it,he will come.

「父さん……、キャッチボールしないか?」映画とは違い、僕はボールを投げたけれど、それは返っては来なかった。※“埋め込みがリクエストにより無効”となっていますが、画面の黒い部分をクリックしていただくと、別ウィンドウが開き、通常のYouTubeの画面にて…

来世で会おう

映画『ミッドナイト・ラン』は、元刑事の賞金稼ぎとマフィアの金をくすねた会計士の、ロードムービーにして奇妙なバディムービーです。FBIに追われ、別の賞金稼ぎに追われ、マフィアに追われ、ニューヨークからロサンゼルスへの、アメリカ大陸横断の逃避行。…

男の友情2

映画『スタンド・バイ・ミー』。私がここで内容を説明するまでもない名作です。私はこの映画を観るまで、親友とはいつも仲良くしている友人、いつまでも仲良くしている友人と単純に考えていました。この作品はその幼い見方を打ち砕いて、私を少しだけ大人に…

映画『リーサル・ウェポン3』

メル・ギブソン演じる、妻を亡くして自暴自棄になっている若手刑事のリッグスと、ダニー・グローバー演じる、家族を大切にする定年間近の老刑事マータフの葛藤と絆を描くシリーズ。第一作は“現代を舞台にした西部劇”と言われればなるほど納得の傑作。そして…

映画『ウォール街』

金融危機が発生する前。 安価な労働力をアジアに求めた結果、産業の空洞化を来たしつつある状況を憂いて、何人もの経済評論家からこのような意見が出されました。“日本は投資立国を目指すべきだ”この言葉を聞いた時、映画『ウォール街』を思い出しました。オ…