インタビュー:タイガーマスク

昨夜の記事と“同時代の空気”繋がりで。

江夏の21球』で知られる、スポーツノンフィクション作家の故山際淳司に、『ナックルボールを風に』(角川文庫・絶版)という作品があります。その中に、当時ブームを巻き起こして人気絶頂だった(初代)タイガーマスクへのインタビュー記事が収録されています。

プロレスマスコミとは無縁の、著名な作家がインタビューをしているということは、瞬間最大風速とはいえ、タイガーマスクが興味と認知度においてアントニオ猪木ジャイアント馬場を凌いでいたことを如実に表しています。

タイガーマスクとして、言えることと言えないこと、言うべきこと。漫画『プロレススーパースター列伝』があったとはいえ、佐山は自身のキャリアについて赤裸々に語っています。現在は知られた内容ですが、当時ここまで喋っていたことに驚きます。

その後の佐山聡の言動を承知で読むと、一人の若者が与えられた立場で奮闘しながら夢を追い求めている、そんな切ない気持ちにさせられます。

ここ最近、様々な雑誌で初代タイガーマスクが特集されていますが、それらは、基本的に当事者や関係者が往時を振り返ったものです。それらも充実した内容ではありますが、それらを補完する意味で、このインタビューは如何でしょう。

絶版ではありますが、Amazonや古本屋で入手可能ですので、内容の具体的な紹介は控えます。

ナックルボールを風に (角川文庫)

ナックルボールを風に (角川文庫)