2012-12-16から1日間の記事一覧

『冷血』下巻

作家の想像力を超える現実を前に慄いた高村薫は、作家としての在り方を自らに問うように、『晴子情歌』と『新リア王』を書きました。そして、その流れに位置する『太陽を曳く馬』に合田雄一郎を登場させましたが、それは従来の意味での警察小説とは趣きを異…

絶望も幻滅もしない

今回の選挙で自由民主党が圧勝したのは、民主党が歴史的な「政権交代」を成したときと同様、“敵失”によって利を得ただけ。自分たちの力で得点したからではありません。民主党は政権の座を手にして、高価な玩具を与えられた子供のようにはしゃぎ、見当違いな…

絶縁

この(“あの”とは書きません。まだ何も終わっていません)東日本大震災の惨禍と、その後の政治の無様な右往左往を見せつけられて、まだ、自分と家族が暮らすこの国の在り方に関心を持たない人と、私は通じる言葉を持ち得ません。この期に及んで、まだ“他人事…