最上級

モハメッド・アリが亡くなりました。それを報じる記事が一般紙の一面に載るなど、スポーツ選手の枠を超えた存在だったと、あらためて感じ入っています。

ボクシングの元世界ヘビー級チャンピオン。

その表現に、彼の偉大さが滲んでいます。

引退した名選手であれ現役の選手であれ、ボクシングの世界チャンピオンがニュースで取り上げられるとき、その肩書としてWBAWBCといった認定団体の名前がつくのが普通です。

一例を挙げるなら、マイク・タイソンでさえ、WBAWBC及びIBFの三団体の統一王者になったとして紹介されます。

アリにはそれがないのです。

後にも先にも、たった一人の“世界チャンピオン”。

ザ・グレイテストという、比較級ではなく最上級の表現を受けるに相応しい、唯一のボクサー。

スポーツ史だけでなく、世界史(なかんずく現代史)に名前を残す人物です。