プレッシャー

安倍首相が、三世代で同居して老いた親の介護をする家庭に対しての減税を口にしたとき、半藤一利の『あの戦争と日本人』を思い出しました。

そのなかで、原子爆弾の研究と開発について、大略「アメリカは国家事業として国を挙げて取り組んでいたが、日本は(ある科学者)個人の職人的な力に頼って進めた」と書かれています。

組織としてのビジョンもなく、個人の義務感や善意を当てにするのは、決して政策とは呼びません。

そして、「親の面倒を子供がみるのは当然だ」という正論によって後ろめたさを刺激してプレッシャーを与えようという意図が見えて、薄気味悪く感じます。