変わらない

前の記事の続き。

わたしたちが当たり前だと思って疑わない常識や価値観は、わたしたち自身が考えに考え抜いて至った結論でしょうか。

そうではないでしょう。いつの間にか身の回りにあって、疑うという発想すらなく受け入れているだけ。

自分の意思という背骨のごとき芯を持たない意見など、環境や立場が変われば、それに合わせて変節して当然です。

アニメ『機動戦士Ζガンダム』で、シャア・アズナブルは言います。「今日の都合で魂を売った者の決定など、明日にも覆るものさ」と。

それはTPPの問題に顕著です。野党のときには「断固反対。自分たちはブレない」と言っていた自由民主党は、与党に返り咲いた途端に交渉を推し進めています。

言っていることは変わりましたが、その時々の立場で言動を変える、無定見という本質的な点では何一つ変わっていません。

前の記事で書いた「己の弱さ」とは、このような“内面的強度の絶対的な無さ”を指してのことです。