今日という日を

旅行先の土産物屋で、スーパーなどでは手に入らない「ごぼう味のせんべい」を買いました。とても美味しいものです。手にするのは数年ぶりのこと。

その数日後、仕事帰りに寄ったスーパーで「すっぱいポテチ」を買いました。以前からある銘柄のものではなく、別のメーカーが発売したもので、「食べ比べてみよう」と、買い物かごへ。

さて、二品が手元に揃いましたが、事情があって開封せずにいました。ようやく、その機会がやってきて、まずは「ごぼう味のせんべい」を食べました。懐かしい味で、相変わらず美味しい。う〜ん、満足。

そして、今日。「すっぱいポテチ」を食べようとしたところ、おや? 影も形もありません。正確には、昨日、家族が小皿に出していたのを見ていたので、封を開けてあって輪ゴムでしばってあるものを想像していたのですが、とにかく見当たりません。

家族に尋ねたところ、昨日の時点で開封してあったとのこと。わたし以外の誰かが勝手に手をつけることは考えられず、わたしが開けたとしか思えないのですが、わたしには覚えがありません。まったく記憶にないのです。

話しているうちに「そういえば」と思い出しても良さそうなのですが、それすらありません。食べ比べてみたいと思って買ったのですから、食べてみて「こんな味なんだ」という感想を持ったはずですが、それも覚えていません。

いつの間にか、「すっぱいポテチ」は消えてしまいました。

こんなことが自分の身に起こるなんて。生まれて初めてのことです。

今日という日を忘れません。というより、忘れられそうにありません。

とほほ……。