技術革新の果て

どこまで進んで行くのかと思われる人間の技術革新ですが、あるものについて、私たちは、行くところまで行き着いた究極の姿を日々の生活の中で目にしています。

それは何だと思いますか?

ずばり、“コンビニのおにぎりのラッピングの取り方”です。

グラフの縦軸にコンビニエンスストアが現れてからの時間、横軸に全国規模のものから地方だけのものまで含めた店の種類を思い描いてください。

その中で、実にたくさんの手法が採用されてきました。あんな取り方、こんな外し方。よく考えるなと感心すると同時に、メーカーの試行錯誤が窺えました。

それが、もう何年も前から、どの店でも同じ取り方になっています。ある特定のコンビニチェーンで変わらずにいるというのではなく、どこで買っても同じなのです。

これは、いまより便利で効率の良い方法が生み出せずにいるということではないでしょうか。この問題については、もう新しいものは現れないと考えて良いのかもしれません。

タイタニック号の沈没が科学技術への妄信を戒めたように、コンビニのおにぎりは、私たちに大切なことを教えようとしているのではないかと思う、夏の夜。