『ヱヴァQ』雑感2

『ヱヴァQ』に登場する二人の新キャラクター、鈴原トウジの妹とピンクの髪のオペレーターは、観る者にとって嫌味な描かれ方をしています。

二人とも、サードインパクトを起こした張本人として碇シンジを憎んでいます。しかし、シンジに対して面と向かって批判することはなく、見えないところで顔を歪めて舌打ちしたり、聞こえよがしに不満を呟いたりするだけです。

彼女たちは、シンジの向こうにゼーレや碇ゲンドウがいたことも、自分たちの上司の葛城ミサトが前作『ヱヴァ破』の最後でシンジの背中を押し、結果的にサードインパクトの発生に手を貸したことも知りません。意図的に取捨選択された情報を与えられ、それを疑うことなく信じているのです。

そして、物語の展開に何ら関与しません。

その他大勢の一人。

自意識過剰な私たちが嫌う設定です。

そんな二人が、少ないながら出番と台詞を与えられ、その中身が主人公を否定するネガティブなもの。

なかなか手の込んだ皮肉です。