目論み

何事、当初の目論見通りには運ばないものです。そう考えたとき、私が思い出すのは昭和の全日本プロレスです。

ジャンボ鶴田は、ジャイアント馬場の後継者として全日本プロレスに入団し、馬場の衰えとともに、入れ替わるようにメインイベントを任されるようになり、その下に二番手として天龍源一郎が配されました。

鶴田はインターナショナルヘビー級、天龍はUNヘビー級と、腰に巻くチャンピオンベルトにも差がつけられ、コンビ名も“鶴龍コンビ”。序列も磐石。馬場は一歩下がり、“世代交代”は、いつまでもアントニオ猪木が絶対的なエースとして君臨している新日本プロレスと比べて順調に進んでいるようでした。

しかし、現在の全日本プロレスには、当時の構想の欠片すら残っていません。