出戻り
桜庭和志と柴田勝頼が新日本プロレスのリングに上がることに否定的な意見もあるようですが、これは逆に千載一遇のチャンスです。誰にとって? 迎え撃つ新日本プロレスの選手にとって。
出戻りといって私が思い出すのは、長州力です。追随するレスラーが多く、その大量離脱によって新日本プロレスは満足に試合を組むことすら難しくなり、創業以来最大の危機に陥りました。
現在の新日本プロレスが“暗黒期”と呼ばれる低迷期を脱して人気を回復したように、当時の新日本プロレスもまた、旧UWFの面々の復帰によって危地を脱した状態でした。
そこへ、長州力たちの復帰話です。新日本プロレスは、というよりもアントニオ猪木は、それを許しました。その離脱が団体を潰すことにもなりかねなかったのに。
実社会ではあり得ない、この“何でもあり”もプロレスの醍醐味です。
“暗黒期”に会社を去った柴田の復帰に不愉快な思いや憤りを持つのは当然ですが、ただ「気に入らない」と不機嫌になるのでは、リングの外で試合を見るファンと同じです。その想いを闘いに昇華してみせてこそのプロレスラーです。
できるんだろう?