硬派と報道

この国の報道について考えるとき、辺見庸船戸与一の対談は貴重にして重要です。それらは、辺見庸の『屈せざる者たち』と、船戸与一の『諸士乱想』で読むことができます。それぞれ別の内容です。

それぞれの内容について詳しく触れたいところですが、それは止めておきます。しかし、一つだけ、船戸与一が「誰の言葉だったか」と言及している言葉を紹介します。

「(権力は)本源的な蓄積が終わると意識の収奪にかかる。」

それを可能にしているのは……。

自分の頭で考えているつもりでも、他人が用意した枠の中で、他人が用意したロジックをなぞっているだけかもしれません。

自分を強く持つ。そんな手垢のついた表現も、その意味を真剣に考えたら簡単に言うことはできません。

屈せざる者たち (角川文庫)

屈せざる者たち (角川文庫)

諸士乱想―トーク・セッション18 (徳間文庫)

諸士乱想―トーク・セッション18 (徳間文庫)