泣くまい

先日、“被災地で命を落としたり苦しんだりしているのが、なぜ私ではないのか。何を書いても嘘になりそうだ”という記事を書いたところ、美空氏に頬をひっぱたかれました。

いたたまれない恥ずかしさとともに、記事を削除しました。まず、そのことを記事として残しておきたいと思い、あらためて筆を執っています。

機動戦士ガンダムF91』で、敵役の鉄仮面(カロッゾ・ロナ)は言います。「つくづく、女というのは御し難いな」と。

上記のように煩悶しながらも、ガソリン節約のために自転車で通勤し、普段どおりに読書もしています。人間とは、何と御し難い生き物か。

漫画『ハチミツとクローバー』で、悩める若者、竹本は発作的に自転車での一人旅を始めます。確固たる自分という手応えを持てない彼は、砂浜で目覚め、「オレ、何やってんだ…?」と自分を嗤います。そして、驚きとともに呟きます。「すげえ…、腹なってるよ。泣きそうなのに」と。

そう、身体は生きようとしています。

被災地で亡くなった方のことが、家族を失った方のことが、避難所で苦しんでいる方のことが、まだ孤立し飢えと寒さに震えている方のことが、毎日、一瞬たりとも頭から離れません。気を抜くと、涙が溢れてきそうになります。

それでも、食べ、飲み、私は生きています。このアンビバレントを、私は一生抱えていくことになりそうです。

この記事が被災地の方の目に触れることがあるのか、無いのか。私にはわかりません。しかし、これだけは記しておきます。

今も、これから何年経っても、私の心は皆さんとともにあります。