虚勢でも

世界柔道」が開催されています。奇しくも、アントン・ヘーシンク氏が亡くなられた直後。“柔道”と“JUDO”の相克が始まったのは、あの東京オリンピックからと言って良いと思います。

選手の努力、受けているプレッシャーが、私の想像を超えるものであることは重々承知の上で。

メダルの色が何であろうと、或いは、メダルに届かずに終わっても、「オール一本勝ちで金メダルを取れなくて悔しい」くらいのことは言ってほしい。

それが果てしなく困難なことであることは理解できます。実際には力量が拮抗していてポイント差での判定になることが多くなることも致し方のないことです。

それでも言ってほしいのは、柔道に武道の薫(かおり)が欲しいからです。道着を着て、帯を締める。恥ずかしながら小学生の六年間、空手を習って黒帯を手にし、それらを身に着けた時の、あの心身の背筋が伸びる感覚を覚えています。

レスリングの世界選手権も開催されています。どちらの選手にも、思う存分、力を発揮してほしいと願っています。自分の持てるすべてを出し切ったという手応えの前には、順位など色褪せます。上記の“一本勝ち云々”も、実は気概の問題に過ぎません。

“人事を尽くして天命を待つ”です。頑張れ。