立ってるものは親でも使え

UFC117において、チェール・ソネンのトラッシュトークが話題になりました。国内では、先日のK-1 WORLD MAXの才賀紀左衛門が盛り上げました。

トラッシュトークは、確かに試合に意味をもたらし、観る者の興味を喚起します。しかし、その効果の射程距離は甚だ短いと言わざるを得ません。それが届くのは、UFCK-1に多少の興味はあるけれど、観るかどうかわからないという、“境界線”にいる人たちまでです。その外側の、そもそも格闘技に関心のない人たちにとって、そのやり取りはニュースとしての価値はありません。

かつてK-1では、リングサイドに有名芸能人が集い、イベントに華やぎを与えていました。UFCでも、俳優や他のスポーツの有名な選手が画面で紹介され、競技にステイタスを与えています。

国内の格闘技は、“ギャラを払って”著名な芸能人に観戦に来てもらうことを考えるところまで来ているのではないでしょうか。「大好きなこの歌手が、俳優が、こんなに楽しみにしているなら、その人のファンの私も、その競技や選手について知りたい」と思うのが心理です。その芸能人に、お気に入りの選手について、楽しみな目玉カードについて、ブログやラジオ番組等で語ってもらうことで、格闘技に興味がない層にも情報を行き渡らせるのです。

そして、その“仕事”を依頼するのは、バラエティ番組に出ているような(自称)芸能人程度ではなく、敬意を持たれる本物の俳優や女優、歌手に限るのです。そうして、その“仕事”をすることが、呼ばれる芸能人にとってもステイタスになるくらいまで持っていくのです。

これは、下世話な発想です。しかし、自分がやっていることに自信があるなら、堂々と頭を下げられるはずです。