君子は豹変す

好きの反対は嫌いではなく、無関心。「K-1心中」にて、先日のK-1 WORLD MAXの結果を受けて、web新さんが石川直生に対する、愛あるが故の厳しい意見を書いています。しかしながら、私なりに考えをまとめるのに日数を要し、コメント欄に意見を書くには時期を失しました。

K-1とキックボクシングは似て非なる競技です。その中で、キックボクシングのスタイルのままに闘い、勝利する。それが石川の青写真でした。

石川は、キックボクサーとしてK-1のリングを席巻することで自分と、キックボクシングという競技を世の中に知らしめようとしました。しかし、その試みは無残な結果に終わりました。

勝てば官軍、負ければ賊軍。プロとして結果を出せなかった石川は、批判を甘んじて受けるべきです。そして、どん底から這い上がることで、批判を賞賛に変えるべきです。

ルールが違えば、闘い方も自ずと違います。自らのスタイルを変えずに、それらを吹き飛ばして勝利を収めることができるのは、圧倒的な力の差がある場合だけです。

君子は豹変す。石川も、K-1で勝つための闘い方、方法論を身に付けるべきです。通常はキックボクシングのリングで闘う石川が、K-1で闘う場合には、そのスタイルをK-1に適したものに変える。それで勝利を収めて、賞賛されることはあっても、誰がそれを非難するでしょう。石川の非凡さが際立ち、その勝利はさらに華々しいものになるはずです。

それは、UFCで闘う秋山成勲にも当て嵌まります。先日の敗戦。私には、柔道の技術でテイクダウンを（それも見事に）奪うことに成功しながら、寝技ではなく打撃で勝ちたいという欲が感じられ、そこがちぐはぐだったと思いました。

早速、次戦が決まりました。自分の技術の素晴らしさを最大限活用して、どのような形であれ、しっかりと一本勝ちを収めて欲しいと願っています。