BOXFIGHT

私の大好きなブログ「K-1心中」にて、web新さんが行間から興奮が溢れるような記事を載せています。

“BOXFIGHT”

すぐに公式サイトへ。そこで、コンセプトとして標榜する“わかりやすさ”という言葉を見て、通っているボクシングジムでの、あるプロ選手との会話を思い出しました。国立大学の大学院生でプロボクサーという異色の選手で、そのとき三連続KO勝利中ながら、就職の都合でリタイアして引っ越してしまい、現在はジムにはいません。

その選手が言うには、試合を観る立場としては、世界タイトルマッチは双方の選手のレベルが高すぎて、かえって面白くない。観て面白いのは日本タイトルマッチ辺りだ、とのことでした。そのレベルの選手にしてそうなのですから、素人については推して知るべしです。

従来のボクシングには無かった、観る側に立った視点。その“わかりやすさ”を具体的なものにするためのルールに目を向けると、そこには懐かしい匂いが……。

持ち点10点から始める減点制。そう、ロストポイント制。UWFと、そこから派生したU系と呼ばれる各団体が採用したルールです。

歴史は巡ります。涙腺が緩むぞ、このヤロウ。

このロストポイント制を有効に使うためには、例えば、試合中に減点の場面があった際には、試合を邪魔をしない範囲で観客にアナウンスしなければなりません。上のプロ選手の話ではありませんが、プロの瞬間的な動きを素人の観客が逐一逃さず目で追うことは不可能です。世界戦のテレビ中継を観ていて、何が起こったのかわからない一瞬のうちに一方の選手がダウンしたりするここがあります。スロー再生を見てようやく何があったのか理解できるということはしばしばです。だからこそ、どの動きがどのように有効なのかといった情報の補完が必要になります。

もし可能なら、次の試合までの時間を使って、スクリーンでその試合のダイジェストを流し、解説付きで減点が発生する場面を振り返るといったことも、観客への啓蒙という意味で必要かもしれません。

ボクシングは歴史があるだけに、JBCによる組織体系が強固です。組織は組織を維持するために、慣習に従います。それは硬直と表裏です。私が通っているジムももちろんJBCに加盟していますが、つまならいセクショナリズムに陥ることなく、このBOXFIGHTには期待します。

私もweb新さんと同様、西島洋介を思い浮かべました。これを感傷的とは言わせません。