BOXFIGHT2

既存のボクシング興行との差別化を図るなら、何よりも女性客を取り込む必要があります。しかし、これは両刃の剣です。一過性のブームは、“目新しい”からこそブームになるのであり、それは次の“新しいもの”に取って代わられます。流動的な価値観の揺らぎに振り回される人たちにとって、古い=ダサいであり、それは嫌気の対象です。

映画を観るように、BOXFIGHTを観る。デートの選択肢の一つになればしめたものです。そして、格闘技観戦には、映画鑑賞に無い“楽しむ余地”があります。或いは、デートでなくても、女友達と連れ立って出かけてくることもあるでしょう。

例えば、アトラクションとして、女性限定で、希望者にリング上でミット打ちをしてもらったらどうでしょう。恋人や友達にリングサイドで見守ってもらっていれば、リングに上がるのに抵抗は少ないはずです。時間は30秒から1分で充分です。3分は動けません。リングという特殊な場所で体を動かす楽しさ、そして、何といっても、思い切りミットを叩く、殴るのは快感です。

例えば、男性限定で、簡単なボクシング教室を開いたらどうでしょう。観客が、実際にジムや道場に通うくらい格闘技に興味がある人だけでは、興行は成り立ちません。自分でやることは考えないが興味はある、という人たちの方が多いはずです。そして、男は多かれ少なかれ、強さに憧れます。そういった人たちに、ジャブやワン・ツー程度の基本的な動作をレッスンするのです。実物に直に触れれば、興味は爆発的に増大します。

この二つの試みを経た人たちは、それ以前と比べて、リング上の闘いを見る視線が違っているはずです。より楽しめる、それも、主体性を持って楽しめるはずです。