趣味の話1

もう何年も前、あるお見合いパーティー(当時、婚活という言葉はありませんでした)にスタッフとして関わったことがあります。

最初に参加者が順に一言自己紹介をしました。その中でいまだに覚えているものがあります。確か二十代半ばくらいの男性だったと記憶しています。

「趣味は特にありませんが、誘われれば何でもやります」

趣味の一つも自分で見つけられないのかと驚きました。

例の事業仕分けの茶番劇を国の予算から家計に置きかえれば、趣味は削減の対象として真っ先にやり玉にあげられるかもしれません。しかし、それが無かったら、生きがいといったら大袈裟ですが、少なくとも“自分らしさ”の一部が削り取られることは間違いありません。

何度か書いているように、私はボクシングジムに通っています。始めて半年が過ぎた頃、続けられる手応えを自分なりに感じ、プロ選手に話を聞いたところ、最近のボクシングでは昔ながらのリングシューズではなく、軽くて機能的なレスリングシューズが好まれているとのことで、財布に無理をしてもらって購入しました。グローブもジムの備品としてありますが、自分用に買い揃えました。

趣味は真剣に取り組んでこそ、その楽しさを味わえるものです。それ相応の出費は自分への投資です。