見苦しい独白2

彼女の背中が遠ざかっていく。
それは、僕が立ち止まっているということなのか?
いや、例え僅かでも、前に進んでいると信じる。

「人生は死ぬことじゃない。生きることだ。これからのものは、何よりも生きなくてはならない。自分自身を生かさなくってはいけない。たったひとりしかない自分を、たった一度しかない一生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか」(中略)「おまえってものは、世界じゅうにひとりしかないんだからな」

路傍の石山本有三