虎の尾を踏んだ男たち

かつて“天皇機関説”という言葉がありました。“統帥権干犯”という言葉がありました。戦国時代、戦国大名と呼ばれる多くの有力者は、天皇を戴くことで権力を握るべく京を目指しました。今、それを繰り返そうというのでしょうか。

ジャーナリストの立花隆はかつて田中角栄の金脈問題を取り上げて世に問いました。その立花隆が最も強く批判する点は、金をばら撒いたことではなく、第一線を退いた後も“闇将軍”として裏から権力を欲しいままにしたことでした。それは二重権力構造と呼ばれました。

かつて小沢一郎が党内の権力闘争に敗れて自民党を去り、新進党を結成した時、海部俊樹を党首にし、自身は幹事長として裏方に徹しました。現在与党となった民主党でもそれは繰り返されました。田中角栄の弟子の面目躍如でしょうか。飾りに過ぎない鳩山由紀夫が何を言おうと、誰も真剣に耳を傾けて対応しようとはしません。普天間基地問題が良い例です。

小沢一郎よ、民主党で最も政治力があるとの自負があるなら(当然あるでしょう)、日本は世界中の国々と共存しなければいけないのですから、立場を使い分けて逃げることなくアメリカをはじめとする欧米の国々の有力政治家達ともディベートを行って自己主張したらよろしい。今のままでは片手落ちです。