挑戦の第13巻

羽海野チカの『3月のライオン』の最新巻、第13巻を読みました。

この物語の主要登場人物は若者だけではありません。若者であれ大人であれ、その誰もが己の未熟さを自覚し、必死に生きています。

研鑽、切磋琢磨。この言葉が自分の日常にあるのかと己に問うとき、わたしはこの物語の登場人物にはなれないと思いつつ、こんなわたしでも受け入れてくれるという不思議な安心感が、この『3月のライオン』にはあります。

自分なりの答えを手にするためには、そこに至る過程が必要です。そこをすっ飛ばして“正解”にたどり着くことなど出来ません。そこが学校のテストとの違いです。

そして、将棋の棋士は対局によって敵を知り、己を知ります。その関係性が素晴らしい。

そういう相手が自分にはいるのか、と同時に、自分は誰かにとってそういう存在たりえているかという問いは厳しい。