男体山

先日、栃木県の日光は男体山に登りました。

初めて登ったのは約18年前。登山に興味を持ち始めて、ちょこちょこと近場の山に出かけていたころのこと。

その後、ボクシングジムに通い始めて、週末もそちらに足を運ぶことが多くなり、登山からは自然と足も遠のいていました。

そんな中、久しぶりに男体山に登ろうと思い立ったのは、普段の生活が家と職場とジムだけで成り立っていることに気付いたからです。本屋も、読むペースが落ちたこともあって出かける頻度が少なくなっていました。

この日常にアクセントを付けたい。いつもと違う場所に身を置きたい。

そうして思いついたのが男体山に登ることでした。

前回は一人でしたが、今回は熟練者のパートナーが一緒です。そして、ボクシングジムでトレーニングを積んで体力も増しているはず。要する時間の短縮も目論みました。

結果を先に書くと、前回は上りに4時間、下りに3時間でした。それが今回は上りに2時間50分、下りに2時間15分と、大幅に短縮出来ました。

重ねた時間は嘘をつかない。嬉しくなりましたし、自信もつきました。しかし、禍福は糾える縄の如し。その代償もありました。下りの終盤、三合目からは脚ががくがく、腿の裏側の膝に近い部分が痛み出し、膝それ自体も油が切れたギアのような状態に。それまでも良いペースが嘘のように、一歩一歩ゆっくりと下りることになりました。

さて、男体山は10月10日で閉山。つまり、平地とは違って既に冬の寒さになっています。赤や黄に色づいた木々の葉もちらほらと見かけました。そして、七合目近辺では、土に白いものが混じっていました。屈んで目を近づけてみると、なんと霜柱。手に取ることも出来て、見てみると6〜7センチの大きさです。

そうして山頂に立つと、周囲は雲の海。大きな滝、瀑布という言葉を思い出させるような荒々しい姿です。

男体山は山自体が御神体で、山頂に宝剣が挿してあります。何年か前に新しいものに取り換えられているので、初めて見ます。前回と同様、同じフレームに収まって記念撮影。

樹林帯から上は遮るものもなく、冷たい風が強く吹いています。山頂も寒く、真冬のように防寒着を着込んで食事です。携帯コンロで沸かしたお湯で作ったレトルトの味噌汁の美味いこと。味と熱が胃に染みて、体の中から温かさが伝わってきます。

そして、用意したチョコレートをリュックサックから出してびっくり。それは箱に入ってラッピングされたものですが、その袋が膨らんでいるのです。気圧の違いが原因とのこと。

視線を南に向ければ、そこには富士山の姿が。登っている途中でも見ることが出来ましたが、あらためて眺めながら、さすが大きいなと感動しつつ、こんなに近くに見えて、日本の国土は狭いとも思いました。と同時に、わたしが今いる男体山と遠くに見える富士山の間にたくさんの人がいて、たくさんの生活があり、世界は広いとも思いました。

最後に、汗を流して体を休めるべく、近くのホテルで入浴。これも楽しみの一つです。朝の6時に登り始めましたので、お昼過ぎには戻っていて、午後の早い時間帯ということで貸し切り状態。広いお風呂で手足を伸ばし、露天風呂にも入り、ジャグジーバスで泡に打たれ、サウナで汗をかき、水風呂に(さすがに全身は無理でしたが)脚を入れてクールダウンさせと、目いっぱい堪能しました。

日常に、ささやかでもイベントがあるのは大切ですね。せっかく登山靴も新しく買ったことですし、さすがに雪の冬山には登りませんが、また出かけようと思っています。

※写真はスマホで撮ったので、数枚ですがツイッターに載せてあります。何故、数枚か? たくさん撮る余裕がなかったからです。よろしかったらご覧ください。https://twitter.com/master_rascal