傍観者

「原爆投下が戦争の終結を早めた」という言説が神話に過ぎないことは、日本人なら百も承知です。と同時に、この本を読んだアメリカの人々が驚き、憤り、ここに書かれていることは物事の一面でしかないと考えるだろうとも想像できます。

理解や解釈は、その人の立場によって違います。単なる数字の羅列としては情報を共有できるかもしれませんが、共通の歴史認識を持つことはできません。

もしかすると、当事者よりも傍観者の方が、より本質に近づけるということもあるかもしれません。それは悲しい想像です。経験してこそ真に理解できるということが否定されては、嬉しいことであれ悲しいことであれ、その場に身を置いた当人の立つ瀬がありません。

それでも、学ぶことに倦んではいけないと思います。考え続けることに飽きてはいけないと思います。

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

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