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子育ては、大袈裟でなく一大事業です。

親という他人の世話がなくては、赤ちゃんは生きられません。

そして、親は自分のための時間を失くします。次から次へと“やること”があって、自分のことは後回し。食事は立ったまま、場合によっては忘れてしまうこともあります。

いつの間にか時間は過ぎて、一日が終わってしまい、「今日は○○をした」といった達成感や手応えなどありません。ちょっとしたイベントもない“いつもと同じ一日”が毎日毎日続きます。

「我が子の笑顔を見れば頑張れる」というのは真実でしょうが、それだけではガス欠を起こしてしまいます。

家族であれ他人であれ、利用できるものは利用しましょう。堂々と。大丈夫、それだけのことをしているのですから。

「誰でもやっているのだから、他人に頼らず完璧な子育てをしなければいけない」と生真面目に思い込んだ結果としての悲しい出来事は、もう見たくも聞きたくもありません。

誰もが自分のことで手一杯かもしれませんが、それでも少しずつ助け合って世の中は成り立っています。護身術の要諦は、第一に「危険に近づかないこと」であり、第二に「大声をあげて助けを求めること」です。相手をやっつけるなどという発想はご法度。困ったときはお互い様です。

私は、「友情が成立する第一の条件は、お互いにお金のことで迷惑をかけないこと」と考えているひねくれ者です。その発想で、子育ての基(もとい)は経済的な安定だと思っています。赤ちゃんがおしっこやうんちをしても大丈夫なように履くオムツ一枚だって、無料(ただ)ではないのです。

その経済的基盤を危うくする政策を掲げる政治家は、その良心を疑います。「雇用の流動性」やら「限定正社員」やら、目の前の利益を確保することに汲々としていては、もっと大切なものを失くしてしまいます。