『リフレはヤバい』

小幡績の『リフレはヤバい』は、アベノミクスの中核を成す“リフレ”政策を批判した本です。

「グローバル企業とは、何か?」という問いに対する著者の答えに、この本で主張されていることが凝縮されています。

毎日のニュースの中で「今日の為替市場の円相場は、1ドルが○○円」と報じられます。これは、ドルが機軸通貨だからです。

私たちは、日本で暮らし、円で収入を得て、円で買い物をします。円が、最も身近で重要な通貨です。では、1円が何ドルか、すぐに答えられるでしょうか。その上下の動きをイメージできるでしょうか。

このような疑問を持っていた私には、前述の問いに対する著者の答えが腑に落ち、納得できました。

また、「人的資本の蓄積をもたらす(特に若年層の)雇用」が日本の経済にとって最重要なことだという言葉に深く頷きました。

私は、著者の『すべての経済はバブルに通じる』を読んで良い印象を持ち、その流れで本書『リフレはヤバい』を手に取りました。つまり、読む態度として批判的ではないということです。

この一冊だけでリフレ政策について語るのは不健康であり、これからも日々勉強しようと思います。