東京大学と官僚

立花隆の『天皇と東大』の第一巻と第二巻を買いました。残りの第三巻と第四巻は来年の発売で、読むのは年明け以降になります。

同じく立花隆の別の著書で読んだのだと思います。東京(帝国)大学は、欧米の大学のように“学問の府”としてではなく、近代国家としての大日本帝国を運営する官僚を育成するために作られたとのことです。

であるならば、今回の選挙での“官僚支配の打破”、あるいは前回の選挙での民主党の“政治主導”というスローガンは、この国の成り立ちの根本を問いかける言葉のはずです。

しかし、私の個人的な感想ですが、いまのところ、それは硬直した社会システムへの苛立ちを代弁するものに過ぎないようです。

既に購入済みの、坂野潤治の『日本近代史』と絡めながら読もうと、今からわくわくしています。

そして、もう一つ。その“国家意識”の芽生えを描いたのが、船戸与一の『蝦夷地別件』です。

ずっと読書をしてきて、ようやく色々なものが繋がりを持ち始めるところまで来たようです。

天皇と東大〈2〉激突する右翼と左翼 (文春文庫)

天皇と東大〈2〉激突する右翼と左翼 (文春文庫)

日本近代史 (ちくま新書)

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蝦夷地別件〈上〉 (新潮文庫)

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