オリンピック雑感1

競泳女子200メートル平泳ぎで銀メダルに輝いた鈴木聡美選手は、ゴール直後、電光掲示板で自分の順位を確認した瞬間、「やったー」と声に出しました。もちろん、その声をマイクは拾っておらず、口の動きでわかったのですが。

その場面に目を奪われました、心が震えました。

そこには、オリンピック選手という衣装を脱ぎ捨てて、一人の人間がいました。特別な世界に住む特別な人ではなく、市井に暮らす私たちと同じ一人の人間が。「立派だ」「凄い」と思うよりも、「おめでとう」という気持ちが先に来ました。私は、心の中で「やったね」と言いました。