そこでCMだ

どちらが勝っても、日本人の世界チャンピオンが一人減るダブルタイトルマッチ。そのリスクを承知で行ったのですから、「良い試合でした」で終わらせては元が取れません。

勝った井岡も、敗れた八重樫も、ともにドラマを背負うことになりました。これは稀有なチャンスです。この試合を起点に、次なる試合の物語を紡ぐべきです。

そのためには、ボクシング界の中だけで盛り上がっているだけではいけません。以前にも書きましたが、ボクシング界は、その政治力を最大限に発揮して世界チャンピオンたちを露出させるべきです。

バラエティ番組やクイズ番組に出演しても、彼らの魅力が伝わるとは思えません。例えば、男性化粧品のCMなどはどうでしょう。世界チャンピオンの“闘う男の色気”は、顔立ちが整っているだけの“自称”俳優やタレントには出せません。商品の魅力を伝えるという本来の目的を果たすとともに、「この人が闘っている姿を見てみたい」という興味を喚起することもできるのではないでしょうか。

ラソンの人気と普及からもわかるように、多くの人が身体を動かすことに興味を持っています。どのジャンルであれ、頂点を極めた人の動きは美しいもの。トレーニングウェアやスポーツ飲料のCMも嵌ると思います。

良いものは、それを作っただけで終わらず、その存在を世に知らしめるべきです。