喝采の中で

桜庭和志引退試合は公式にアナウンスされたものではありませんが、その時期であることをファンは知っています。

桜庭が引退を決意する際の最大の要素は、ファンの視線ではないでしょうか。自分を見つめる目に純粋な応援や興奮ではなく、痛ましいものを見るような、心配するような色を見たとき、桜庭は引退するのだと思います。

「愛されたいと願うのは、愛したい気持ちが足りぬから」(吉田拓郎)。ファンを愛したからこそ、ファンに愛された桜庭和志。かつて、これほど愛され感謝されながら引退するプロレスラーがいたでしょうか。

その相手が、愛されたいと願いながら、それが叶わなかった青木真也というのは皮肉です。

まだ本人の口から「引退」の二文字は出ていませんが、あれこれ想うことを止められません。ごめんなさい。