右また右

エディ・アルバレスVS青木真也。その実質的なフィニッシュブローになった、失笑混じりに語られる青木の肘の空振りの後の、アルバレスの右のショートアッパーの“二連打”に戦慄を覚えました。

例えば右ストレートを打った後。伸びた右腕を元の位置に戻して再び同じパンチを打つよりも、その動作を利用して左パンチを打つのが自然です。右また右。明確な意志。

身体が密着した状態で押し合いながらのショートアッパーは見ます。しかし、あの距離で二連打とは……。しかも、その二往復する拳の軌道が寸分の狂いもなく同じ。何と冷静で冷酷で、技術に裏打ちされたものか。