今回の震災で行方不明になった方たちの数は、未だに一万人を越えています。その一方で、新聞紙面に掲載される、亡くなって前日に身元が判明した方たちの数は日に日に減っています。
あの日から二か月近く経つというのに、まだ家族と対面できない方たちがたくさんいます。毎日のように新聞をチェックし、一縷の望みを託して、あちこちの遺体安置所を訪ね歩く方たち。その望みとは、「生きていてほしい」ではなく、「遺体でも良いから会いたい」なのです。
時計の針は止まったまま。
“まだ何も始まっていない”方たちがいることを忘れまい。