想像すること

読売新聞に、毎日、前日に亡くなったことがわかった方々の名前が載せられています。私は、それを見ることを日課にしています。

そして、今日。九日までに判明しているすべての方の名前が載せられました。新聞の、あの小さな文字、あの大きな紙面で数ページにも亘ります。

本当にたくさんの名前。

彼ら彼女らは、家族や友人、近所の人たちから、どんなふうに呼ばれていたのでしょう。“さん”づけでしょうか。“くん”づけでしょうか。“ちゃん”づけでしょうか。あるいは、楽しいニックネームをつけられていたのでしょうか。

この一人ひとりに、人生がありました。私たちが送っているのと同じ日常生活がありました。

年齢も付されており、一桁のものも数多くあります。どんなにか、怖かったでしょう。苦しかったでしょう。悲しかったでしょう。痛かったでしょう。悔しかったでしょう。

大きな数字では測れないものがあります。それだけでは、零れ落ちるものがあります。

たくさんの名前をすべて覚えることはできません。しかし、一人ひとりの名前を見て、“その人が”亡くなったことは覚えておこうと思います。

謹んで、ご冥福をお祈りいたします。