本を読む

地震の後の心落ち着かない日々にあっても、私の脳は活字を求め、本を読んでいます。

大藪春彦の文庫の解説に、三文書評家は「サラリーマンのストレス解消に最適な作品」などと書きますが、私は、その大藪作品も含め、ざらついた現実世界から逃避するために本を手に取ったことはありません。

その本を読んだ後。読む前と、ほんの少し違う自分がいます。

ボクシングジムで身体を動かして汗をかいたからといって、すぐに体重が減ることはありません(かいた汗の分だけ体重が減っても、水分を補給すれば元に戻り、それは根本的に痩せたこととは違います)。腹筋運動といった筋トレをしたからといって、すぐに体形が変わるわけではありません。

しかし、目に見えなくても、そうと数字に表れなくても、確実に変化は起きています。

強くなりたい。そのための糧としたい。

物語世界に遊ぶことは純粋に楽しく素晴らしいことですが、読書はちいっと違います。それは真剣勝負の趣味です。