これもプロレス

「別冊・プロレス昭和異人伝」のshingol氏と、元新日本プロレス上井文彦氏の対談を観戦しました。

http://www.ustream.tv/channel/ustcafe%E5%A4%A7%E9%98%AA

世に売られている、対談を収録した書籍は、実際の発言を基にした原稿に、当事者が加筆訂正をしたものです。生の対談は、その“作品”を読むのとは、わけが違います。会話は、立て板に水とはいきません。

ちょっとした間。相手の反応を見る一瞬の視線。最低限の打ち合わせのみで実戦の場に立った者同士の、互いの反射神経の勝負。これもまた、戦いの一つの姿です。形を変えたプロレスです。

いみじくも、shingol氏が「最近のプロレスは芸術を志向している、予定調和の世界」と喝破されていました。この対談が、綿密な打ち合わせによって練り上げられた台本に従って進行していたのなら、これほど生々しい喜怒哀楽を感じさせるものにはならなかったでしょう。

shingol氏曰く、「観る者に安易な満足感を与えないアントニオ猪木のプロレス」の如く、不思議な余韻がくすぶっています。