せざるを得ない拡大

以前、主に経済を扱ったテレビのニュース番組で、ある安売りチェーン店について特集していました。そのコンセプトは、業績を伸ばして躍進する企業の「安売りの秘密に迫る」といったものでした。

しかし、そのプログラムの中心に据えられたインタビューでの社長の発言は、番組の趣旨と正反対のものでした。

店舗数を早いペースで増やして規模を大きくしていることに、インタビュアーから賞賛する調子で触れられた社長は、大略次のように語りました。

「店舗数を増やしての拡大路線を取らなければ、必要な利益を確保できない。しかし、それもいずれは限界にきて頭打ちになる。その時どうなるか。それを考えると、今から怖い」

予想される将来に慄く社長の顔に、成長する企業のトップとしての迫力はありませんでした。

中国の拡大路線もまた、この文脈にあるように思います。

中国共産党の独裁の放棄を求めるなどして服役中の民主活動家の劉暁波氏が今年のノーベル平和賞の候補に挙げられていることに、中国政府が不快感を示した、との報道がありました。また、ノーベル賞委員会に圧力をかけたことも、AP通信によって報じられています。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100928-OYT1T00955.htm?from=nwla

世界が中国に対して牽制を始めました。

縁あって同じ地球で、縁あってお隣さん。お互いに「いてくれて良かった」と思えるような関係になりたいと願っています。