月影

まずは、月の光を月影と表現する古の人の感性に脱帽です。

先日、ボクシングジムからの帰途。運転する車のフロントガラスの向こうに、十五夜を過ぎたばかりの月が見えました。そして、白々とした光に照らされて夜空に浮かぶ、これも白い雲。その冷たい静謐にしばし浸りました。

この国で最初に書かれた物語は『竹取物語』といわれます。そして、遥かな年月を経て、やはり月をモチーフにした作品は作られ続けています。上記の月を見て思い出したのは、この映像の冒頭の月でした。

この『∀ガンダム』は、地球への帰還を望む月の民“ムーンレイス”と、かつての記憶をなくし、内燃機関(エンジン)を実用化できる程度に文明を発達させた地球に住む人々との軋轢を描いています。

ムーンレイスは地球に住む人々を“野蛮人”と蔑視し、地球に住む人々はムーンレイスを“宇宙人”と呼びます。

双方に共通するのは想像力の欠如です。

同じ富野由悠季監督の作品、『機動戦士Ζガンダム』で、アムロ・レイは言います。「人は、同じ過ちを繰返す」と。