モンキー・パンチのルパン三世

原作者のモンキー・パンチ自身が監督した映画『DEAD OR ALIVE』で、財宝が眠る漂流島が如何に難攻不落かを次元と五右衛門に説明した後の、「どうだ、挑戦してみる価値はあんだろうが」と言うルパンの嬉しそうな顔。

現時点での漫画作品の最終話。銭形警部の罠に(自分から)かかり、すべたが火薬でできた人工の島におびき出されたルパンたち。その島を自らの手で吹き飛ばした銭形は、虚無に満ちた厳しい表情を崩すことなく、呟きます。「罠と知ってやって来たんだ。挑戦だけに生きている。ルパンはそういうヤツなんだ」と。

峰不二子に鼻の下を伸ばしているルパンは、ルパンを演じているに過ぎません。そんな自分を、彼は客観的に且つ冷静に見ています。

互いに唯一認めたライバル、ルパンと銭形。お互いに、相手の真の価値を知っているのは自分だけ。それは孤独と奇妙な友情の、一瞬の交錯だったのかもしれません。

そして、現在。ルパンはこの毒気を失くしてしまいました。