柳生宗矩

希代の剣客にして、一介の剣豪でありながら大名になった柳生宗矩徳川家康、秀忠、家光に仕え、大目付(総目付け)の要職に付いて徳川幕府の礎を築く一端を担いました。

その著書、「兵法家伝書」にこのような言葉があります。

“刀剣短くば一歩進みて長くすべし”

これを実践するために、どれほどの努力、精進が必要かは言うまでもありません。卑近な例ですが、ボクシングにおいてリングで相手選手と向き合った時、自分の拳が相手に当たる距離は、即ち相手の拳が自分に当たる距離です。

この言葉は何も、競技においてのみ当て嵌まるものではありません。もう何年も五木寛之がテーマにしている浄土真宗蓮如親鸞が、出家して特別な修行を行わなくても念仏を唱えれば成仏できると説いたのも、日々の生活こそが修行と知っていたからではないでしょうか。

私は今日、ささやかでも昨日と違う一歩を踏み出せたでしょうか。