官僚の仕事

この本の中で、プーチンアメリカの官僚の凄さについて言及しています。

旧ソ連は、そこに暮らす全員が国家公務員であり、国の形と官僚機構は同一のもの、即ち官僚の国でした。プーチンの目が大統領だけでなく、実務をこなす官僚にも向けられるのは当然です。

戦後、日本の官僚は世界一優秀だと言われてきました。その言説が経済の低迷とともに消えたことは笑い話にもなりませんが、では翻って、アメリカがくしゃみをすると日本は風邪をひくと言われた、そのアメリカの官僚はどれほど凄いのかという疑問をずっと持っていましたので、プーチンの指摘は我が意を得たりと膝を叩くものでした。

ホワイトハウスで枢要な地位につく人たちは、ずっと政治の世界に身を置いているのではなく実業界との間を行ったり来たりしているので、ずっと同じ畑にいる日本で同様の立場にある人たちは、厳しさの点で経験値が少なく太刀打ち出来ないと聞いたことがあります。

葬式仏教、お役所仕事。いずれも狭い世界で完結している人たちを揶揄した言葉です。同じようなものがアメリカ(を含む欧米)にあるのか、興味があります。

この本を読んだ直後に、ドナルド・トランプ氏と金正恩氏が会談することが決まったとの報道がありました。ずっと水面下で両国の官僚が動いていたという説明とともに。

オリバー・ストーン オン プーチン

オリバー・ストーン オン プーチン