戦後の終わり
著者が別の著書で定義した“永続敗戦レジーム”をキーワードとして“戦後の終わり”としての現在の政治状況を論じた本です。
わたしが普段考えたり、このブログに書いたりしていることと重なる部分も多く、すんなり腑に落ちる論でした。
感情で話す人を理を以て説き伏せるのは困難です。だって、自分が話していることを自分で理解していないのですから。
そういう人にとって、他人の反応は肯定と否定の二つしかありません。肯定されれば自尊心を満たされ、否定されれば馬鹿にされたと憤るだけ。
理を以て論じることの難しさが、そこにはあります。他人に理解されない正論に意味はあるのか。
それでも、立花隆が言うように、知りたいという欲求と、それを知る喜びは人間にとって根源的なものだと思います。
“(民に)知らしめず”は統治の要諦です。しかし、そうは問屋が卸しません。
偶然に見えて必然。人のやることには理由があります。出来事は起こるべくして起きます。予想外のアクシデントに見えても、それもパズルのピースとして全体図のなかに収まります。
その難解な図面の説明書として、自分なりに考える際の一助になる本です。
- 作者: 白井聡
- 出版社/メーカー: 金曜日
- 発売日: 2015/10/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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