『機龍警察 火宅』

月村了衛の『機龍警察 火宅』は、シリーズ初の短編集です。“龍機兵(ドラグーン)”と呼ばれる機甲兵装の活劇はなく、刑事たちの捜査活動がメインで描かれています。

長編では行間に隠れていた優しさがより伝わってきて、短編を読む楽しさが感じられるとともに、太い幹としての長編作品群を補完して、シリーズが厚みを増してきました。

また、最後の一編は今後の展開の布石にもなっていて、その構成も含めて見事な短編集でした。