失敗から学ぶ

「失敗学」という言葉があります。成功よりも、その陰に隠れた失敗からこそ学ぶべきものが多いということです。

本書は、民主党が与党となったものの、その政権運営の拙さから混乱を呈していた頃を扱っていて、時事ネタとしては古いものです。

しかし、では今日性がないかといえば、そのようなことはありません。

政治を語りながら、彼らが説くのは言葉の在り方、大切さです。

それは、高村薫の、大略「政治は簡単に表現できるものではなく、言葉を丹念に積み上げて構築するもの」という論と通じます。

本編の最後で、今後あり得ないこととして「自民党の復活」が笑いとともに挙げられていますが、実際には自民党が復活しました。面白いのは、そう言いながら、いまになって読んでみれば、(本人たちが思ってもいないのに)そうなる必然が語られていたことです。

この数年のドタバタから、私たちは何を学ぶことができるでしょうか。そんなことを考えながらの読書でした。