失敗から学ぶ
「失敗学」という言葉があります。成功よりも、その陰に隠れた失敗からこそ学ぶべきものが多いということです。
本書は、民主党が与党となったものの、その政権運営の拙さから混乱を呈していた頃を扱っていて、時事ネタとしては古いものです。
しかし、では今日性がないかといえば、そのようなことはありません。
政治を語りながら、彼らが説くのは言葉の在り方、大切さです。
それは、高村薫の、大略「政治は簡単に表現できるものではなく、言葉を丹念に積み上げて構築するもの」という論と通じます。
本編の最後で、今後あり得ないこととして「自民党の復活」が笑いとともに挙げられていますが、実際には自民党が復活しました。面白いのは、そう言いながら、いまになって読んでみれば、(本人たちが思ってもいないのに)そうなる必然が語られていたことです。
この数年のドタバタから、私たちは何を学ぶことができるでしょうか。そんなことを考えながらの読書でした。
- 作者: 内田樹,高橋源一郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/05/09
- メディア: 文庫
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