鼻白む

原発を主張する人たちの代表が野田総理大臣と面会したとのことですが、これを何がしか意味のあることと考えるのは短絡です。

このニュースを知って、私は鼻白みました。

野田首相が「NO」と言うのはわかりきったことで、当人には痛くも痒くもない、まったくリスクのない行為です。

一国の首相が市民と直接に対話するのは軽率で、悪しき前例を作ったとの批判もありますが、そんなことはありません。野田首相が長期政権を築けるとは思われず、次の首相は「あれは前首相の不明であり、自分はそのようなことはしない」と言えば済む話です。

面会して「原発は廃止してください」と言うだけなんて、それ自体が目的と化した、戦略のない最低のパフォーマンスです。

一連の反原発デモは、特定の人たちが主導することのない、市民の自主的な参加が大きな特徴とされています。自分たちの問題と捉えて行動に移した人たちの動きが、今回の面会パフォーマンスで鈍るのではないかと危惧します。一部の人たちだけが熱心に活動し、その他の多くの人たちが距離を感じて当事者意識を失くしてしまうのではないかと。

有権者の最大の武器は“投票すること”です。それによって、信頼できない政治家を選挙で落選させることです。

掌の上で転がされることのないように。